少年僧院の休日 Phaung Daw Oo

午前10時、バイクタクシーで飛ばして、ダーウィンの家兼学校に向かう。
Phaung Daw Ooという学院らしい。
鉄格子の門扉の向こうに路地が続いている。
ドライバーはここだというが、少し不安になる。

路地を行くと、確かに学校があった。
どこを見ても、サッカー、サッカー、サッカー…
僧衣を着た少年たちが所狭しとサッカーをしている。
レンガを置いてゴールをつくり、ボールを追いかけている。
今日は休日だから、特に授業もなく遊んでいるようだ。

欧米人のパッカーとすれ違う。
きっとここに泊まっていた人だ。
旅人にとっても、ここは無料の学園だと昨日ダーウィンが言っていた。

よく見ると、男子だけではなく女子もいる。
年齢層もさまざまで、5歳くらいから18歳くらいまでいるように見える。

女の子たちが顔にペイントしているのはタナカと呼ばれる木のすり身だ。
これを美しいと感じるミャンマー独自の美の基準は、まだ健在だ。
ヤンゴンの中心部では見ないから、発展すれば消える風俗の一つだろう。

ぐいぐい奥へ進んでゆく。
賢そうな先生らしきお坊さんがいたので、
英語で話しかけ、ダーウィンを呼び出してもらう。
いきなり全校放送で呼びかけるからびっくりした。
しばらくして、ダーウィンがやってきた。
顔に布のあとがついている。明らかに寝起きだ。
10時頃落ち合って、托鉢一緒に行こうって言ったのおめぇじゃねーのか。
もう托鉢行く気がないのは明らかなので、校内を案内してもらう。


ダーウィンは、サッカーしないの?」
「しない。」
「本は読む?」
「読まない。」
ダーウィンは休日何するの?」
「寝るかマンダレーヒル行くかどっちか。」
はい、知ってました。
やっぱり、のんびりした日々を送っているようだ。
しきりに顔にできたニキビを気にしている。
「それ、あと数年で治るよー。思春期特有のものだからねー。」と言っても、
「うーん」と指でいじっている。

ダーウィンだって、貧困あるいは公教育にアクセスできないくらい田舎の家庭の出であるはずだ。
なのに、悲壮な印象も、ハングリーな印象も受けない。
だいぶ癒された。


バイバイ、ダーウィン君。



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