ラルンガル・ゴンパに着いた


四川省成都から康定(ガンディン)を経由して色達(セルタ)までバスで2日。
色達からは乗り合いで1時間。
緑の草原のなか、忽然と赤い町が現れる。
心配していた公安に引っかかることもなかった。
未舗装の道路にばっこんばっこん揺られながら、ようやくたどり着いた。

ラルンガル・ゴンパ。
故ケンポ・ジグメ・プンツォク師という尊いラマに教えを請う為に人が集まって町になったらしい。
行きかう人はみなお坊さんや尼さんになりたい学生ばかり。
中央の建物は学堂で、赤い家はみな僧坊。
ここは、学園都市だ。

町はすり鉢状になっている。
高度4000メートル。
息を切らしながら、頂上にあるホテル目指して、迷路を登る。

このホテル、wifiも温水もあるという充実過ぎる設備である。
といっても、これは観光客向けであって、学生の家には水道もネットもガスもない。

すでに観光地化が激しく進んでおり、中国人の観光客がどえらいカメラを持って多数押しかけている。
何とか泊まれたが、この日も満室で、ロビーにテントを張って泊まっている人が居る始末だった。
学生さんたちもスマホを持っているのが当たり前になっている。
まだ、ぼったくる人は居ないし、挨拶すれば笑顔で返してくれるが、かなり出遅れてしまったと思う。
中国の開発の速さといったらない。

中国人のマナーは悪く、写真を無遠慮に撮って勉強の邪魔をしている。
中国語で「写真を撮るな」というフレーズを言う学生をよく目にした。
日本人も見た目は中国人にしか見えない。
「ニホン」と名乗っても、地図を見せても、日本を知らない学生も多い。
どれだけ邪魔にならないよう注意しても、許可を求めても、欧米人のように言い顔はされない。

頂上のホテルに泊まっていいことは、夜景をじっくり取れることだ。明日は鳥葬を見に行く。